BIOHAZARD RE:2 英語の掲示物を調べてみた 警察署編の続きです。ゲームをプレイしている時一々何が書いてあるか確かめる人は少ないかと思いますが、カードキー等のアイテムにもしっかりとディテールが凝っていたりするのでたまに手を止めて注目するのも面白いですよ。
地下駐車場カードキー
Holder must renew this permit no later than the date shown above.
Property of R.P.D. If found, please return to R.P.D. headquarters.
所有者は上記の日付までに当許可証を更新してください。
(当許可証は)ラクーン警察の所有物です。発見されましたら、ラクーン警察本部までご返却をお願い致します。
[permit]という単語には「許可する」という動詞の意味の他に、「許可証・認可証」という名詞の用法があります。このカードキーは駐車に必要な証明書なので当然「許可証」の意味で使われています。受験生にはお馴染みの単語かと思いますが、「permit=動詞」で暗記していると混乱してしまうかもしれません。
単語帳を機械的に記憶しているだけではなかなか他の用法までは覚えられないものです。受験する大学のレベルにもよりますが、有名大学や難関大学では主要な定義はもちろん、第二第三の定義や用法を問われるので単語を覚える時は複数の定義に目を通すようにしましょう。
ing=進行形ではない
「何を当たり前のこと言っとるんだ」と呆れる方もいらっしゃるかもしれませんが、英語の授業寝てたような人は冗談抜きでing=進行形と思っている人が少なくないです。念のため言っておくと、進行形というのはbe動詞+ingの形で用いて「動作が行われている状態」を表す形です。
[parking permit]は駐車している許可証ではありません。ましてや公園している許可証なんて言ったらなんのこっちゃです。ここでのingは文法用語で言えば現在分詞というものに該当します。厳密な定義は割愛するとして、現在分子は名詞の前に置かれた時、「目的・用途」を表すことがあります。
parking permitとは即ち「駐車するための許可証」。同様の例としてはdining room(食堂)やwaiting room(待合室)等々があります。バイオRE:2の待合室ドアにも書いてあるので、暇な時にでも確認してみてください。
ただし、この用法は慣用的なものに限られます。なんでも使えるわけではないので、特定の組み合わせをセットで覚えておくとよいでしょう。
no less than=期限
[no later than]は直訳すると「~よりも決して遅くない=~を決して過ぎてはいけない」。「(特定の時間・日付)までに」を表しています。この許可証には”上記の日付(1998年10月31日)”までに更新しろと書いてありますね。要するに期限を明示する表現なのですが、この場合31日も期限に含まれます。
ところで英語の比較表現は肯定文の場合、than以下の数を含めません。端的に言えば、日本語の「~以上/以下」と英語の[more/less than]は同等の表現ではないということです。意味合いとしては「大なり・小なり」というのが正しいです。
試験で問われることはないかもしれませんが、混同しないよう注意しましょう。
less than one hundred: 100未満(=99以下)
ちなみに、「~以上/以下」と言いたい時は[more/less than or equal to~]とすれば良いです。順番を逆にして[equal to or more/less than]としてもOK。
数学的な言い方をすれば[greater than or equal to(≧)]となります。lessはlessのままです。
期限切れ間近?
作中時間は1998年10月で、有効期限も同じ月。つまりこの許可証はそろそろ期限が切れるところだったんですね。もし作中時間が11月だったら出られなかったかもしれませんね。意味のない仮定ですが。
ちなみに「期限が切れる」を英語で言うときは[expire]という単語が適当です。「期限が終了し効力が失われる」ことを広く表すので大統領の任期が満了する時なんかも使われたりします。
R.P.DというのはRacoon Police Departmentの各イニシャルからとったもの。
そして何やら裏面にも書いてありますね。
This card permits the holder to park in the R.P.D. underground parking garage.
This permit may be revoked at any time.
Violation of the parking garage’s rules and regulations will result in a fine.
For 24-hour assistance, please call 555-0106.
所有者はこのカードを使用することでラクーン警察署内地下駐車場に駐車することができます。
この許可書はいついかなる場合においても無効にできるものとします。
当駐車場の規則及び規定を侵害された場合は、罰金を科すものとします。
お問い合わせは24時間受付です。555-0106までお電話ください。
このカードの注意書きのようなものですね。
To不定詞に注意
[permit 人 to do…]は「人が…することを許可する」という意味で、to不定詞を目的格補語として伴う用法です。目的格補語というのは、目的語を説明する語句のこと。この例でいうと、permitの目的語である人が、“何をするのか”を説明する役割をto不定詞以下の語句で担っています。“This card permits the holder”だけでは許可する相手はわかるけど、「何を」許可するのか判断できませんよね。そこで、to不定詞を用いて具体的な行為(駐車場に車を停めること)を提示しているのです。
to不定詞は英語という言語において非常に重要な単元です。ここが理解できないと碌に文章が読めないため、しっかり頭に叩き込みましょう。
あくまで私の体感ですが、to不定詞が理解できていないと4割くらい内容が把握できなくなってしまうのではないかと思います。それぐらい多用される文法要素なんです。
「駐車場の決まり事を守らないとしまいには罰金取られるよ」っていう趣旨の警告文です。警察署内の駐車場ですからね、結構厳しそうですがどうなんでしょうね。
revoke /rɪvóʊk/: (免許などを)取り消す、廃止にする、無効にする
at any time: いつでも、どんな時でも
serious injury or death
(シャッターにより重傷または死亡事故の恐れがあります)
駐車場の出方
カードキー挿入口の右側に説明書きがあります。よく見るとこんなことが書かれていました。
1) Insert permit card into the slot to the left
2) When the light turns Green, the shutter will begin to open and your card will be returned to you
3) Take your card and proceed to exit the garage
4) For assistance, please try the intercom to the right, or call the number below
1)カードキーを左手のスロットに差し込んでください
2)ランプが緑に点灯したら、シャッターが開き始めカードが返却されます
3)カードを受け取ったらそのまま駐車場を出てください
4)お困りでしたら右手のインターホンをご利用いただくか、以下の番号におかけください
困ったら電話しろとありますが、番号までは見えませんでした…。[the number below(以下の番号)]とあるので恐らくはこの注意書きの真下にある黄色いスペースに書いてあるのだと思われます。インターホンが繋がらない場合は外線にかけろということなんでしょう。
to the left: (向かって)左の
ゴミを表す単語としてはtrashの他にrubbish, litter, garbage等があります。以下に違いをまとめました。
garbage: 家庭内から出るごみ、特に生ごみのことをいう。
litter: 散らかったゴミやポイ捨てされたごみを指す。[NO LITTERING!]は「ポイ捨て禁止」の意。
[keep O C]で「OをCの状態に保つ」です。色々な場面で使われる表現ですね。
また長くなってしまった…。次回は警察署編その2です。