レックス&ホムラ

ゼノブレイド2一周年!(The first anniversary of Xenoblade 2!)  

2017年12月1日にNintedno Swithch専用ソフトとして発売された「Xenoblade2」が本日一周年を迎えました。いやー、時がたつのは早いものですね。私も400時間以上プレイしましたがまだ開放していない要素ありますもんwツイッターでも一周年を祝うツイートが出ていますね。


めでたいめでたい。

しかし、野暮を承知の上で一つ言いたいことが。

斎藤&田中御大は1周年記念を’1 year anniversary‘と表記していますが、私これ間違いだと思ってたんです。なぜかというと、[anniversary]という単語は序数とセットで使うものだと思っていたので。

序数とは、文字通り順番を表す数字のことで、英語でいう[2nd][5th]などですね。

実際、辞書引いても’year anniversary’の用例って出てこないんですよ。電子辞書には複数辞書が内蔵されているのにもかかわらず。

ところが、’one year anniversary’でググってみると、 17,600,000 件もヒットしたんです。これは序数をつかった表記(’first anniversary’)の9,520,000 件をはるかに上回る数字です。

実際のところどうなのか?

ひょっとして自分が間違ってるのか?と思い調べてみました。’year anniversary incorrect’ (year anniversary 間違い)で検索。すると、こんな記事が出てきました。

ニューヨークタイムズ:‘One-Year Anniversary’は重複表現か

※英語の記事です

https://www.nytimes.com/2010/07/18/magazine/18onlanguage-anniversary.html

以下一部引用・翻訳。

As the annual aspect has moved to the background of anniversary, the shift has opened the door for use of the term to mark the passing of shorter units of time. The 11th edition of Merriam-Webster’s Collegiate Dictionary, in its entry for the word, states that anniversary can refer more broadly to a date following a notable event “by a specified period of time measured in units other than years,” giving the example, “the 6-month anniversary of the accident.”

”一年の、という側面がanniversaryの背景になってしまったことで、それより短い時間の単位の経過を記念する語として使われるようになっていった。The 11th edition of Merriam-Webster’s Collegiate Dictionaryでは、anniversaryの見出し語として、一年以外の期間を指すことがあると記述されている。たとえば、’the 6-month anniversary of the accident.(あの事故から半年)’ のように。”

(中略)

Anniversary has been pressed into service for nonannual commemorations in part because English has no other commonly used terms that can fill the gap. At various times since the 19th century, the monthly equivalent of anniversary has been dubbed a mensiversary, using the Latin root mensis for “month,” but this ad-hoc coinage has never caught on.

”英語にはその隙間(一年未満の記念日)を埋められるような一般的な語が他になかったということも手伝って、anniversaryは一年未満の記念日を祝う式典(としての意味)に押し込められていった。19世紀より幾度となく、anniversaryの月に相当するものはラテン語源でmonth(月)を意味するmensisにちなみ、mensiversaryと称されてきた。しかしこの急造語は全く定着していない。”

―どうやら、[anniversary]が元々持っていた[annual (一年の)]の要素が薄まった結果生じた誤用のようですね。記事によるとこのことに我慢ならない人もいるようで、言語学者はこのような過程、すなわち世代を重ねるにつれ語の力が弱まっていくことを”semantic bleaching(語彙的漂白)“と呼んでいるそうです。

となると、「一周年」ならばやはりThe 1st anniversaryとするのが正しいようです。なぜ’1 year’でないのかというと、前述の通り[anniversary]自体に一年という含みがあるからなんですね。

オックスフォード英英辞典を引いてみると、

anniversary: the date on which an event took place or institution was founded in a previous year.

(前年にある出来事が起きた、または機関が発足した日)

とあります。この単語には「前年に起きた」という含みが既にあるのですから、それが何回目なのかを示してやるだけでよいのです。でないと重複表現になってしまいます。

「anniversaryは記念日を表すものだ」と機械的に覚えているとこういう誤用をしてしまうのかもしれません。

ついでにコロケーションも含めて例文も挙げておきます。

Today is [marks/celebrates] the 1st anniversary of Xenoblade2.

今日はゼノブレイド2の一周年記念日だ。

しかし、正規の用法ではないにしろ幅広く使われている表記なのも事実。言葉というのは時とともに移り変わっていくものですから、もはや’one year anniversary‘も誤用とは言えないのかもしれません。日本語のら抜き言葉も同じですよね。未だに認めない人もたくさんいますけど。

余談ですが、ら抜き言葉も必ずしも誤用だと言えない側面があるんですけどね。日本語の成り立ちから考えると、むしろ自然だというケースもあるみたいです。と、大学の講師がそんな感じのことを言ってました。私一応国文学専攻でしたので、そういう講義も受けたんですよ。もううろ覚えですけどww


【編集後記】

寝ぼけまなこで覗いたツイッター、「これ誤用じゃね?」から端を発した今回の記事でしたが、まさかネイティブですらひっかかる誤用だとは…。しかし、自分の知識を過信せず裏付けを取ることの肝要さも身に染みてわかったような気がします。

ちなみに、私は序数を使っていこうと思ってます。


 

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