翻訳とローカライズ

皆さんは翻訳とローカライズの違いって考えたことありますか。

 

んなもん知っとるわ!

どっちも言語を別の言語に言い換えることでしょ?

 

様々な声が聞こえてきそうです。ではこの二つの違いを例に出して考えてみましょう。


「朝食にご飯を一杯食べた。」という和文があるとします。以下に英訳を二つ挙げます。

 

A: I had a bowl of rice for breakfast.

B: I had a piece of bread for breakfast.

 

結論から先に言うとAが翻訳で、Bがローカライズということになります。差はズバリ、お米がパンに変わっている点ですね。乱暴な言い方をすると、翻訳とはあくまでも言語の置換作業を指します。原文への忠実性が求められるわけですね。

一方でローカライズというのは「地域化」、特定の対象に向けて行われる翻訳作業を意味します。したがって、必要に応じて改変・脚色が行われるので原文への忠実性は低下することがあります。

例で言うと、欧米人は余程の親日オタクでもない限り朝食にご飯は食べませんよね。原文への忠実性を保ったままだと、対象となる英語圏の人たちにとって奇異な場面として映るわけです。そこでご飯→パンの差し替えが起きるのです。

ゲームタイトルでも同様の現象が起きることがあります。有名なのが「ポケットモンスター」ですね。これは男性器を意味するスラングで、そのままではあまりにも不適切ということで当該シリーズの略称である「ポケモン(pokémon)」として発売されることになりました。ポケモンに限らず、ゲームタイトルというのは特別不適切でなくてもよくローカライズの対象になります。「日本版と海外版でタイトルが違う!」なんてことはしょっちゅうです。

ローカライズは何も言語だけの問題ではありません。ゲームにおける性的描写・暴力表現等々の規制は国や地域によって異なります。それらが含まれるシーンの検閲削除または修正もローカライズの一つです。また、文化や宗教も様々ですので当然タブーに触れるような表現描写は規制の対象となります。そういった様々な要素の改変・削除・修正が「ローカライズ(=地域化)」を意味するわけですね。

したがって、同じゲームでも日本版と海外版は全くの別物と言えるかもしれませんし、そこに新たな発見や面白さなんかが隠されているような気がします。

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